イケてる☆加工屋

家訓 ある加工屋の話。


『社長が全く働かなくてムカつく。

仕事は全部現場に投げて好きなことばっかりしてる。

俺たちの事を無視して最低な社長だわ』

 

こんな話を世間ではよく聞くが

まったくもって昭和な話だな。

令和時代の会社では

 

『社長は俺たちに仕事をまかせてくれる。

全く現場を手伝わないからペースが乱れなくて最高だ。

俺たちの邪魔をしないよう敢えて無視してくれるからな』

 

って感じである。

 

3年前に社長を交代したあたりから

仕事も増えたし、モノも売れるようになった。

 

前社長に言わせれば

『俺が若いころから積み上げてきた努力が

最近やっと実っってきたな。』

って感じだろうが

 

現社長に言わせれば

『俺が社長になってから売り上げが伸びたわ。

前社長を用務員として起用したのは俺の勝利だ。

やっぱ老人より若者が優れてるわ。』

って感じか。

 

金の使い方も容赦がない。

傷み始めた機械ではイイモノが作れない

と言った途端にNEWマシンを投入。

車もバイクも欲しいと思った瞬間に買ってくる。

将来に対する不安など微塵もない。

これを前社長は危険で無謀だと言う。

けど現社長は息をする如く平然とやってのける。

 

老人は今までの経験をもとに話をするが

若者には経験が無いので理解が出来ない。

『おめーは失敗したかもしんねーけど

俺は失敗しねーと思うよ。

仮に失敗しても何とかなっから!』

 

若者の勢いは止められない。

少しでもその勢いを弱める努力をするくらいなら

いっそ、背中を押して加速させてやる。

いや、そんな事したら

『押すんじゃねーよクソが!』

って言われるな。

 

黙って見ていよー。

若者を信じるとか信じねーとか

そんな話じゃねーんだよ。

そーゆーのを上から目線って言うんだ。

 

若者がどんな判断で生きていくのか。

他人目線でみてると、ものすごく面白い。


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