経験から学ぶのは愚か者で、歴史から学ぶ者が賢者である。
今のスーパーナウは、ニコフと七瀬の2人で工場を回してる。
だが、2人で工場が回せるほど、スーパーナウの仕事は甘くない。
注文を受け、手配・製作・発送・事務などをスムーズに行う為に、七瀬に寝る暇は無いらしい。
理由は簡単。お客さんに迷惑が掛かるからね。
迷惑を掛けるくらいなら、モノ作りは、しなくていい。
結果、時間が足りないほど働いてるが、売り上げは落ちる一方のようだ。
かと言って、休日出勤などもってのほか、残業すらやらせないのだ。
残業なんかして働く時間が増えれば、仕事が捗るのは当たり前だからね。
重要なのは、限られた時間の中で、いかに効率よく働ける方法を見つけ出せるのかだ。
それを見つけ出すのは容易な事じゃない。
マジで追い込まれないと、見つけ出す事は出来ないと俺は考えている。
その為には、売り上げが一時的に落ちても止むを得ない。
スーパーナウが未来に向かって成長するには、痛みを伴っても仕方がない。
答えが見つけられるなら、俺が遊ぶ金に困っても全く問題ないのだ。
俺は毎日病室に居るので、現場の作業に手出しは出来ない。
ニコフや七瀬が困っていても手助けは出来ない。
その困った状況を解決させる方法を考えるだけなのだ。
スーパーナウには最先端の加工設備があるわけじゃない。
特に優秀な人材が居るわけでもない。
愛と勇気と根性と知恵と魂でモノを作らないと、継続なんて出来ない零細企業なのだ。
その為には、買ってもらうお客さんと同じ立場と目線になるしか無いと思ってる。
一緒に走って、本当に必要なのは何なのかを理解しなければイイ物は作れない。
スーパーナウが目指すのは、日本一の
『走って作れる加工屋』
なのだ。
金で買える幸せはもう要らん。
俺はスーパーナウの為に生きる。
俺の人生はスーパーナウに捧げるのだ。