イケてる☆加工屋

過去イチ


ただの四角形にしか見えないだろうが

この冶具を完成させる為にほぼ4日間を費やした。

この6面体には19面の異なる角度があるのだ。

図面は無い。

モノの使い勝手を考え、マシニングに合わせて絵を描く。

こーゆー仕事は普段では絶対に出来ない。

集中力が全てだ。

途中で話しかけられたりしたら全てパーになるわ。

なもんで、お盆休みという無意味な長期休暇は有り難かった。

 

しかもこの19面を左右対称で作るってんだから大したもんだ。

作り物ってのは、出来ない事は無いんだけども

それを仕事としてやるとなると別の話。

例えばこの冶具に100万円掛かるとしたらどぉだろう。

対価がもらえなければ仕事として成り立たないのだから

それはプロとは呼べない事になる。

50万円に値切られたらどぉする。

仕方なく50万だけもらう選択もあるが残り50万は赤字である。

 

いや、100万もらわなければ捨ててやるって選択もある。

その選択をプライドと見るのか、ただのワガママと見るのか。

こーゆー判断は難しい。

だが、時代は令和だ。

プライドは捨て、わがままは押し殺し、相手と交渉するのだ。

重要な事だけど金の話は、俺の場合は後回しだ。

まずはモノを作りあげてからだ。

 

よく失敗する例として

こんだけ貰えるなら、この物はこの作りにしよー。

これしか貰えないなら、この程度までしか作らない。

とかでモノ作りをすると非常にリスクが高くなるのだ。

かと言って無駄に凝ってしまって仕事にならん場合もある。

 

つくづく仕事ってのは難しいわ。

相手が人間だから、なおさら難しい。

とりあえず、冶具が完成しただけである。

本チャンの削りはこれからだ。

お盆休みはあと、2日ある。

この2日間でテストカットまで終わらせよう。img_3332


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